【My librarian is a camel】世界には変わった移動図書館があり住民に生きる希望を与えているって知っていましたか?

ミンガラーバー
毎日ブログのネタを考え続けているhiroakiです。

30日チャレンジも2週間目に入り、気がついたことがあります。
それは別に文章を書くことは大変じゃないけど、話のネタを探すのは大変だなあということです。

毎日更新し続けている人はどうやってネタを見つけているんだろうか???

まあ前置きはこのくらいにして、今日の話題に移ります。

今回は以前の記事(↓)に続く、書籍紹介第2弾です。

【教育経済学】ご褒美で釣って勉強させても全然問題ないby「学力」の経済学

2018.06.03

扱うのは「My librarian is a camel」という絵本です。

え?絵本?
しかもなんで移動図書館なの?

こんな疑問が聞こえてきそうですが、理由は前回と同様です。職場の先輩が貸してくれたんですが、それがまた中々面白かったのでみなさんに紹介しようと思ったわけです。(書籍紹介第3弾は私が自分で買った本を紹介します!)

原作は英語ですが、「図書館ラクダがやってくる」というタイトルで日本語訳が出版されています。

この本では世界13カ国に実際に存在する様々な移動図書館についてまとめていますが、今回は私が気になった3つの移動図書館について紹介しますね。

ケニア

まずは書籍タイトルにもなっている「ラクダ」を使った移動図書館です。

一般的な移動図書館はみなさんが想像するように、バスやバンを改造した車で本を運びます。しかし、ケニアでは砂漠の砂が邪魔をするため、たとえ4輪駆動車であっても通れない道があります。そしてそういった道の先に住んでいる人々の村には図書館はありません。

そこで、砂漠の移動手段として効率の良いラクダが使われるようになりました。

さて砂漠に住んでいる人たちがラクダを使って荷物を運んだり、移動したりしていることは超有名ですよね。

では、そんな超便利な移動手段であるラクダは1度に何冊の本を運ぶことができるでしょうか?
A、B、Cから選んでみてください。

A、100冊
B、300冊
C、500冊

 

 

 

 

 

 

正解は、C、500冊(約180kg)です。

AやBを選んだ方が多いと思います。500冊も運べるなんて思いませんよね?私もビックリしました!

一頭で500冊も運べるなら、数頭を使えばとても充実した移動図書館になりますね。唯一の問題はスピードでしょうか。ケニアの図書館員がこの本で紹介されている村までたどり着くためにかかる日数は片道5日です。

しかし、そこまで時間をかけてでも本を届ける理由はひとえにそこに本を求めている人々がいるからです。

日本では日常の中に当たり前に図書館があります。
本が読みたければ、自分の好きなときに図書館へ行って、無料で好きなだけ読めます。

しかし、ケニアの子どもたちは違います。図書館のない村で生活し、来る日も来る日もラクダの移動図書館が到着するのを待っているのです。

どうしてそんなに移動図書館が待ち遠しいのでしょうか? その答えは、この本の中で度々繰り返されているこの文章に集約されています。

Book is as important as air or water.
本は空気や水と同じくらい大切である。

日常の中に図書館、そして本が溢れている日本人は本と空気と水が同等の価値を持つ、人間が生きるために必須の要素と言われてもピンと来ないかもしれません。

しかし、ほとんど孤立したような遠隔地に住んでいる人々にとって、
本は外の世界と繋がることのできる唯一無二の手段であり、将来に希望を抱かせてくれるものです。

もちろんインターネットなんてありませんから、ラクダの移動図書館と本だけが外界と彼らをつなぐ手段なのです。

それを知っているからケニアの図書館員は過酷な砂漠を5日もかけて移動するのだと思います。体力的にはきついでしょうが、きっと仕事のやりがいは相当大きいだろうということは簡単に想像できます。(少なくとも私が日本で働いていた頃に感じていた迷いや無気力とは無縁でしょう。この話は自己紹介に書いてあります。)

カナダ

カナダ北部に広がるヌナブト準州は世界第2位の広さを誇るカナダの面積の約20%を占める最も大きな州です。北極圏に位置する過酷な環境のため人口は約4万人と多くありませんが、その約80%は先住民族であるイヌイットと言われています。

このように広大なエリアにわずか4万人しか住んでいないわけですから、当然常設の図書館がある場所は限られています。ヌナブト最大の都市イカルイトやオーロラ観光で有名なイエローナイフなどですね。

さて、その他の図書館がない地域に住んでいる人たちはどのように本を読んでいるでしょうか?

先ほど紹介したようにこのエリアは広大です。バスなどの通常の移動図書館だけでは全然本を届けられません。何せ日本の総陸地面積の5倍あるのです。

そこで、郵便を利用した本の貸し出しサービスが生まれました。

なんとこの地域に住む人々は、大人も子どもも希望者は全員、カナダ国内の図書館から読みたい本を無料で郵送してもらうことができるのです。さらに切手の貼られた返信用封筒も同封されているので返却も無料です。(一回の郵送につき、最大で6週間本を借りることができます。)

カナダでは郵便局員が移動図書館員でもあるということですね。

これはヌナブトに住む人々にとって本当に嬉しいサービスですが、おそらく財政上の負担はそれなりに大きいでしょう。それでも継続してサービスを提供しているというのはきっと、book is as important as air or waterの精神をカナダ政府も持っているからでしょうね。

ちなみに日本にこんなサービスはないだろうなあと思って検索してみると、なんとありました。(私が知らないだけでした。日本の図書館員の皆さん、こんなことを言って申し訳ありませんでした。)

ただ、基本的に障がいなどの何らかの合理的な理由により図書館に通うことが難しい人に対して本を郵送するサービスで、運用の細かいルールは実施自治体ごとに異なります。ただし一般的に、利用者が費用を負担するケースがほとんどですので、残念ながらカナダのサービスほど充実しているとは言えないようです。
(参考元:CA1897 – 公共図書館における郵送・宅配サービスの動向 / 中山愛理

フィンランド・スウェーデン・ノルウェー

島国である日本では考えられませんが、
フィンランド・スウェーデン・ノルウェーには3カ国を周回する「共有」の移動図書館があります。

しかし、それぞれの国の中心地を周っているわけではありません。
北極圏に入ってしまうほどの北部(Laplandと呼ばれる地域)を周っています。

そこは冬は日照時間がわずか4時間(日の出:10時、日の入り:14時)、夏は一日中、日が沈まない白夜の発生する地域で、1年を通して氷と雪に囲まれています。

ただインターネットは繋がりますから、ケニアの子どもたちのように外界の情報に飢えているわけではありません。

それにもかかわらず、この地域に住む人々は自分の住んでいる場所に移動図書館車が来るのを心待ちにしています。

そのことを不思議に思う方もいるかもしれません。

でもその理由を知ると、きっとこれまで考えたこともなかった移動図書館の効果、本を貸し出すだけではない移動図書館の姿が見えてきますよ。

その答えはこちらのリンクから動画を見ていただければわかるのですが、少々長い(約25分)ので要約してみました。(お時間のある人はぜひ動画を見てみてください。とても考えさせられる、内容の深いドキュメンタリーです。)

この地域は上述のように、過酷な環境のためどの街の人口も決して多くありません。
家々が離れていたり、商店がなかったり、または銀行が1週間に1度しか開かなかったりすると、そこには何週間も面と向かって人と話す機会のない人が生まれるのです。

そんなとき、自分の住んでいる場所に移動図書館が来ると、彼らはすぐに移動図書館車を訪れます。

しかし、基本的に本は借りません。ただ、図書館員と話すだけです。

でもたったそれだけのことで、誰かと話すだけで彼らの心は救われるのです。

ここまで言えば、皆さんもうお分かりですね。

移動図書館が持つ大切な役割とは「住民の心のメンテナンスをしてくれること」です。

先ほど紹介した動画の中で言われていますが、
移動図書館車の図書館員は図書館員であるだけでなく、話の聴き手であり、そして友達でもあるのです。

そんなこと考えたことのなかった人が多いと思います。
私も移動図書館にそんな効果や目的があったなんてつい最近知りました。

私も移動図書館員とお話しする機会があれば、ピーの過酷な環境でやられた心のメンテナンスをしてもらいたいと思います(笑)
(ピーはとってもいい場所なので是非遊びに来てくださいね。ミャンマー国内で一番最初に登録された世界遺産もあります!)

最後にちょっとだけ補足ですが、東日本大震災の被災地域で行われている移動図書館活動にも、そのような効果・目的があるんですよ。

では今回のお話は以上です。
日本では当たり前の本を読める環境が特別なもの、恵まれたものであること、そして移動図書館は実は本を貸し出す以上の役割を持っていることをご理解いただけたでしょうか?

ではまた明日、別の記事でお会いしましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

大学時代に途上国を一人で周ったことをきっかけに国際協力業界に興味を持ちました。 新卒で入社した民間企業を退社した後、オーストラリア語学留学を経て、現在はミャンマーで国際NGOのインターンとして活動しています。 ミャンマー情報を中心にその他興味のあることを発信しています。