【教育経済学】ご褒美で釣って勉強させても全然問題ないby「学力」の経済学

ミンガラーバー
hiroakiです。

今回は、このブログ初!
最近読んだ本の内容を紹介します。

私は現在、NGOでインターンをしていますが、そのNGOは「教育」をメインに扱っています。(一口にNGOと言っても保健医療・農業・職業訓練・ジェンダーなど様々な分野があります。)

ということで、先日、職場の先輩が私にこんな本を貸してくれました。

「学力」の経済学 著:中室牧子

これまで聞いたこともないタイトルですが、どうやらかなり売れた本のようです。
帯に22万部突破と大々的に宣伝されていますし、私の借りた本は第13版でした。

読んでみたところ、内容がなかなか興味深く、知っておくと役に立ちそうだったのでこの記事で皆さんに紹介することにしました。

そもそも教育経済学とは

この本の著者である中室牧子さんは教育経済学者です。
しかし私はこれまで教育経済学なんて単語を聞いたことがありませんでした。

とりあえずWikpediaで調べてみると、、、

教育経済学
教育と関連がある経済事象を取り扱う学問のことである。
教育経済学で取り扱われる問題としては、教育の経済的効果、教育の費用負担、教育における効率性と教育計画、教育の便益に関する分析が主である。
出典:Wikipedia

ちなみに著者の説明によると、
科学的根拠(数値データ)を元に教育を分析する学問とのことです。
こっちの説明の方が短くて分かりやすいですね。

そしてその説明通り、この本の中で解説されているお話は基本的にすべて数値データによる裏付けがあります。

200ページ弱で多くのトピックを取り上げていますが、その中で紹介したいと思った以下の3点について書いていきます。

1、ご褒美で釣るのは問題ない?

2、褒めて育てるべき?

3、非認知能力の重要性

がっつりネタバレしていくので、自分で読んでみたい方はここから先は読み終わってから見てください!

1、ご褒美で釣るのは問題ない?

「テストで100点をとったら欲しいものをなんでも買ってあげるわ。」

「本当?じゃあ勉強頑張るよ。」

子どもだった頃、親とこんな会話をしたことのある人は大勢いると思います。もちろん、私も母親とこんな会話をしていました。

でも親世代の年になって、自分たちがご褒美をあげる側になると親たちがこんな悩みを感じていたことに気づきます。

・ご褒美がないと頑張らない子どもになってしまうのでは?

・そもそもご褒美をあげないと子どもを勉強させられないなんて親失格だ

そんな悩みを抱える子どもを持つ両親に朗報です。

教育経済学は、ご褒美で釣って子どもを勉強させる方法の有効性を証明しています。
ただし、どのようにご褒美をあげるかをしっかりと考える必要があります。

あなたに子どもがいて、その子どもの成績を向上させたいと思っている状況を想像してください。
そして成績をあげるためにご褒美で釣って勉強させる方法を使うことにしました。

さて次の2つの方法のうち、どちらを選択すれば子どもの成績は上がるでしょうか?

A、本を一冊読んだら、ご褒美をあげる

B、テストでいい成績を取ったらご褒美をあげる

先に紹介した会話「テストで100点取ったら・・・」はBと同じですね。
きっとほとんどの家庭でBの方法が選択されていると思います。

テストでいい成績をとるという直接的なゴールに向かって子どもが勉強してくれそうですからね。

でも残念ながら、成績が上がる可能性が高いのは A です。

もちろんBの方法が全く効果がないわけではありません。
しかし教育経済学によってAの方が高確率で成績が上がることが証明されているのです。

その理由は以下の通りです。

Aの子どもはご褒美をもらうために何をすればいいか分かるのでそれを実行します。

この例では、ご褒美が欲しければとにかく本を一冊読み終わればいいわけです。
宿題を終わらせたらご褒美をあげるというのも良いですね。とても具体的です。

一方、Bの子どもはご褒美をもらうために何をすればいいか分かりません。

ご褒美が欲しくてやる気もある。でもテストの点数をあげるために具体的に何をすればいいのか分からないので、点数は上がらないのです。

この部分は読んでいて、超納得しました!
確かにゴールだけ設定されても達成するのは大変ですけど、そこに至る過程・手段を示してもらえれば達成できそうな気がします。
さらにその過程・手段を実行するとご褒美がもらえるように設定されているのでやる気もでます。

ご褒美は、アウトプット(テストの成績向上などの目標)ではなくインプット(本を読む、宿題をするなどの具体的手段)に設定するべき!

これを知っている親は子どもの成績をうまく上げられる可能性が高いことが科学的に証明されているんですね。

2、褒めて育てるべき?

ご褒美に引き続き、こちらも有名な命題です。いわゆる「褒め伸ばし」ですね。

さてこの命題に対して教育経済学はどんな回答を出しているでしょうか。

今回は先に答えを紹介しますね。

「才能や元々の能力ではなく、実際に取り組んだ事実・努力を褒めるべき」

これが教育経済学が推奨する方法です。
つまり、褒め伸ばしは効果があるけれど褒め方に要注意ということです!

例えば、あなたの子どもがテストでいい成績を取ったとします。
それに対して、あなたにはA、B、2種類の褒め方が用意されています。
さて、どちらを選択するべきでしょうか。

A、頭がいいわねえ

B、よく頑張ったわね

すでに答えを紹介しているので明白ですね。答えは B です。

Aのように頭の良さといった才能や元々の能力を褒められた子どもは、才能によって成績が決まると思い込みます。

「いい成績を取ったのは、自分に才能があるからだ」
「悪い成績を取ったのは、自分に才能がないからだ」

このように考えるわけです。
努力ではなく才能で結果が決まると思っているので、当然やる気なんて出ません。成績も下がっていきます。

一方、Bの頑張った努力を褒められた子どもは、成績は努力によって決まると考えるようになります。

「いい成績を取ったのは、自分が努力したからだ」
「悪い成績を取ったのは、自分の努力が足りなかったからだ」

このように考えるので、物事に対して粘り強く挑戦、努力するようになり成績も上がっていくわけです。

ご褒美のあげ方だけでなく、褒め方にも科学的に証明された推奨方法があるなんてびっくりですよね。でも自分の子ども時代を振り返ると、どちらかというとAの褒め方をされていたことが多い気がします(笑)

3、非認知能力の重要性

非認知能力
忍耐力、意欲、自制心、回復力や対処能力などの人間の気質や性格的特徴のようなもので、一般に「生きる力」と呼ばれる。

学校の中では学力が評価基準です。でも学校の外、社会では違いますよね。
上に挙げた自制心や忍耐力、対処能力などの非認知能力は学力以上に重要な役割を果たします。

そのように大事な非認知能力ですが、著者は成績向上・社会的成功に深く関わる特に重要な非認知能力として、以下の2つの力を紹介しています。

自制心

自制心の重要性は「マシュマロ実験」と呼ばれる有名な研究の結果をみれば明らかです。

実験の内容はこうです。

1、200人弱の4歳児にマシュマロを一つ差し出します。

2、その後「このマシュマロをいつ食べてもいいけど、私がまたこの部屋に戻ってくるまで食べるのを我慢できたら、もう一つマシュマロをあげるよ」と伝えます。
(ただし、子どもにはいつ戻ってくるのかは伝えません)

3、部屋を出て、15分後にまた戻ってきます。

200人弱のうち、15分間我慢して2つのマシュマロを手に入れた子どもは約3分の1でした。3分の2の子どもたちは我慢できずに食べてしまったのです。

この実験はその後被験者200人弱の人生を追跡調査し、高校生時点で我慢できた子どもとできなかった子どもの能力に大きな差が生まれていることを確認しました。

我慢できた子どもは我慢できなかった子どもよりも高校の試験の成績がずっと高かったのです。

私は今までこういった能力は成長する過程で培われていくと思っていましたが、マシュマロ実験で示されたように4歳児時点ですでにそういった気質はある程度形作られているんですね。これは本当に衝撃的でした。

つまり、子どもが4歳を迎える前に我慢することを覚えさせておかないと、その後の人生で子どもが自発的に強い自制心を身につける可能性は低いということです。

これはとても大事なことを知った気がします。

やり抜く力

この力の重要性はある有名なTED動画で世界中に紹介されました。
(実はその動画と30日チャレンジの動画をどちらも見て、ブログの更新を継続的にやってみようと思ったんです。)

この動画の中で紹介されているように、やり抜く力は才能とは関係なくむしろ反比例します。まさに我々のような凡人の希望の星です(笑)

でも残念ながら、やり抜く力を鍛える方法は確立されていません。
努力によって結果は変えられると信じること、マインドセットすることが現状確認されている最も有効な鍛え方です。

ただ、褒め伸ばしの部分で説明した通り、褒めて伸ばす場合は能力ではなく、努力を褒めます。
その際に努力の大切さ、努力によって結果は変えられることなどを合わせて説明していけば、やり抜く力は自然と身についていくのではないでしょうか。

まとめ

1、ご褒美はアウトプット(テストでいい成績をとるなどの目標)ではなく、インプット(本読む、宿題をするなどの具体的手段)に設定する

2、才能ではなく、努力を褒める

3、自制心とやり抜く力を鍛えると成績が伸びる、社会的に成功する

覚えておくと、今後の人生の役に立つかもしれない知識でした。

ではまた明日お会いしましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

大学時代に途上国を一人で周ったことをきっかけに国際協力業界に興味を持ちました。 新卒で入社した民間企業を退社した後、オーストラリア語学留学を経て、現在はミャンマーで国際NGOのインターンとして活動しています。 ミャンマー情報を中心にその他興味のあることを発信しています。